DTM制作のノウハウ
DTM作りにはいろいろノウハウがある。いろいろな人が本やホームページ等に書いてますが
ここでは私なりにDTMをやっていて気づいたことを書いてみます。
1、音量の制御
DTMをはじめると、まず普通の楽器の演奏と音量の制御が非常に大事だということに気づく。
特にアコースティックの楽器をひいているときには自然に意識をあまりしないで、自分でそうとうダイナミックに音量の制御をしている。ところが、全部の楽器を音源から出すDTMでは自分が個々の楽器、その個々の一音一音の音量を意識して調整してミキサーにならなければならない。最初DTMを始めた当初は、とにかくどの楽器も音量をあげれば良いと思っていたが、すぐにこれは駄目だと気づいた。大切なのは目立たせる音と目立たなくても良い音のバランスで、目立たなくて良い音は極力落とすようにしないとならない。つまりとにかくン目立たなくて良い音の音量をどれだけしぼれるかというのが重要になってくる。これをやらないと小学校の鼓笛隊の演奏のように全員が如何にでかい音を出すかという状態になり、全くまとまりが無くなってしまう。各楽器、それも一音一音の音量の制御をすることで音がまとまってくる。
一音一音と言っているのは、特にメロディー等目立つパートをvelocityが一定のままにすると、非常に平板な、気持ちのまるで入っていない音になってしまう。
一音一音velocityの変化をつけると驚くほど音が生き生きとしてくる。特にアコギのアルペジオ等顕著である。
2、目立つ音、目立たない音
アレンジをするときには、厚みを持たせるために目立たせない音と、聞かせたいために目立たせたい音と2つに大きく分けられる。現在使っている音源はSD−80では、同時発音数が128あり、次の項に書く音の厚みという点では、限界が無いレベルで使える。そこで、問題になってくるのが目立つ音をどう目立たせるかである。
音を目立たせるためにはいくつかの方法がある。
1)音量を上げる
あたりまえだが、他の楽器より、でかい音にすると目立つ。
2)メロディーを変える、コードを変える
他の楽器と同じ音をだしていると同化して時には1つの楽器に聞こえてしまう。(逆にそういう効果を狙うときもあるが)そこで、唯一違うメロディー、違うコードを弾くと、その音だけ浮き立って聞こえる。
3)パンポッドを変える
聞こえてくる方向を変えると、特定の方向にその楽器しか無いと目立つことになる。ただし、レバーブやコーラスといったイフェクトをかけると、定位がぼけるので、現実は空間系のイフェクトをかけた音で定位を決めるというのがなかなか難しい。
4)タイミングを変える
今使っているSequence Studio Standardというソフトでは1拍=960というカウントの方法になっている。特にリズム系の楽器の場合、意図的に20程度早めたり、遅めたりすることにより、はっきりとその楽器が聞こえてくることがある。現実には各楽器で微妙に立ち上がりのタイミングが異なるのでもっと調整する必要がある。特に複数の楽器をタイミングを合わせて、目立たせるようにするのは、かなり根気のいる作業を要する。最近読んだ村上ポンタ秀一さんの本を見ると、プロのドラマーはこのようなジャストタイミングから少しずらしたような演奏を意図的にできるそうである。自分では逆に正確に弾いているつもりでもずれるので、これには全く恐れ入った。逆にストリングス系などはこういったものを邪魔しないように少し遅めに発音スタートした方が良いようである。
番外)目立つ音を使う
この下の方にも書くが楽器には目立つ音色のものとそうでないものがある。目立つと音色のものを使うと目立つ。
3、音の厚み
今から約30年前に4トラックのレコーディングが始まって、それがどんどんトラック数が増えていくに従ってどんどん音の厚みが出るようになってきた。今使っている音源のSD−80では同時発音数128なのでほぼ限界無く、曲作りが可能である。これも最初のころは同じ音をいろんな楽器でしかもポッドを同じような方向からひいていた。結果として全然音の厚みが出ない。
これは人間には1つの音として認識されてしまうようだ。音の厚みを出す基本はまず違う楽器で、違う音符を、違う方向から出すということに尽きる。それぞれの楽器が個性を主張するように
なってくる。
次に大切なのは、何となく聞こえる音である。その音をミュートしてみると、確かになっているのがわかるが、全部まざるとそんな音があるのかわからないような音。これこそ音の厚みを出すのに重要である。そのためには聞こえるか聞こえないかくらいに音をしぼり、ほとんどめだたないような音符をひくと何となく音の厚みがでてくる。特に思い切り音を絞って不協和音をひくと効果が大きい。
4、音のめりはり
やっぱり、サビは音量をあげる、イントロの最後は音量をあげる、1番2番と終わりに行くに
従って音量をあげて盛り上げていく、しかも音量でいって1とか2とかくらいずつ微妙に、
というのが結構効果がある。 また、イントロの最後の一小節とかサビ前の一小節とかの
音量を大きくしたり、サビ前の一小節の4拍目にインパクトのある音を入れるなどすると
その後のサビが引き立つ。
5、強い楽器と弱い楽器
音源を使っていくと、だんだんその音源の楽器の性質がわかってくる。どの楽器は強い音で音を絞っても目立つとか、どの楽器はいくら音量をあげてもぜんぜん目立たないとか。
これをうまく組み合わせるとよりイメージの強い曲ができる。(といってその内楽器の使い方が固定化してきてしまうという問題もあるが・・)特にやはりエレキギターやブラスは強い音でシンセ系の音でも強い音がある。こういう音は普段音楽やCM等聞いていても良く使われている。
6、リズム楽器
バックに流れるドラムスやベースは基本だが、それ以外のハイハット系とかタンバリンとか
トライアングルとか、時にはギター等でリズムを刻むと音全体がピリッとしまってくる。何かものたりないなと思った時にこういうキーとなるリズム楽器を1つ入れると効果的である。
こうした方法は70年代から盛んに行われており、特にハイハットやシェーカー等シャカシャカ言う音を16分音符で入れると良い。また2000年頃からはこれを16分音符でパンポッドを変えたりする等進化してきているので、こういう作りを入れると今風になる。
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