JPOPで使われる主なコード

    最終更新 2010年6月5日

   ここでは、JPOPで使われる主なコードについてその使い方を含めて書く。
なお、ここでも様々な曲を比較しやすいように、
 ここで注目すべきは3和音以外の和音でよく出てくるものがある。
 これらの和音がJPOPをまさに「味付け」しており、JPOPのサウンドを特徴付けている。 味付けのりと同じで一度食べるとやめられない、一度聞くと心に残るこれらのコードこそJPOPらしさを演出している。
 必ずしも頻度が高いからと言って心に残るということではない。ここぞというところで効果のあるコードを使うと高い効果が得られる。

頻度の説明 ★★★★ 多い  ←→ ★少ない

I 頻度★★★★ (キーがC、Amの時のC)
 長調でも3和音の1つ。このコード無しではJPOPは成立しないが、これ単独でどうということはない。 やはり3和音の中でも基本になるものなので、落ち着くことを表したりするときに使う。

IonE 頻度★★(キーがC、Amの時のConE)
 主に曲の始めのAメロでI→IonIIIという形で使われることが多く、場合によりサビに出てくることもある。

Im 頻度★(キーがC、Amの時のCm)
 IVmの代わりのような形で使われることがあるが頻度は低い。

I7 頻度★★(キーがC、Amの時のC7)
 主にI→I7の流れで使われる。なつかしい感じを出すために使われることが多い。
例:海援隊 贈る言葉の最初 (|I I7|IV|I I7|V|)

Iaug 頻度★(キーがC、Amの時のCaug)
 これ単独で出てくることは少ない。主な用途は
I→Iaug→I6→I7
というコード進行で空に昇るような夢心地気分を出すのに使われる。
 1974年 浅田美代子 思い出のカフェテラス サビI→Iaug→IV
1985年 松田聖子 ボーイの季節 サビI→Iaug→IV→IV
1986年  おにゃん子クラブ じゃあね サビI→Iaug→I6→I7
 単独ではアレンジ的に過渡的に使うときがある。

 2000年から2001年にかけて、使われた頻度が一時的に増えた。
 2000年では嵐 台風ジェネレーション-Typhoon Generation-のサビ
小柳ゆき be alive 2番の終わり〜間奏にかけて 
          SMAP らいおんハート の歌の始まる直前
          Misia Everything 最後のところ
2001年 松浦亜弥 LOVE涙色のサビ IonIII→IV→IV#dim→IonV→Iaug
2009年 B'zのイチブトゼンブのサビ I→Iaug→IV→V

I6 頻度★(キーがC、Amの時のC6)
 上記のIaugで書いたI→Iaug→I6→I7で使われる。

Imaj7 頻度★★(キーがC、Amの時のCmaj7)
 元々は1970年代始めのフォークソング、ニューミュージックに多用されていた。そもそもIに対してあいまいな感じを与えるコードであり、直接強い形でIを使うのでなく、少し間接的な形で使うことにより、よりマイルドな感じの曲にすることができる。それが1980年代にいわゆるニューミュージック系の作家により、アイドル歌手への楽曲提供が広まることによって、JPOP全体に広がって、今では極めてメジャーなコードになった。
例:荒井由実 中央フリーウェイの最初

Isus4 頻度★(キーがC、Amの時のCsus4)
 Isus4→Iという流れの中に出てくる。特にキーがDの時にはギターでDsus4を弾くとコードとして弾きやすいとともに、独特の響きがあるので、キーがDの曲で使われることも多い。

II 頻度★★★(キーがC、Amの時のD)
 明るい希望や日の出の太陽が昇って来るような感覚、またこの応用としていきなりIIを鳴らしてびっくりさせるような感覚を与える時に使う。
 また、モーツァルトのクラッシックを思わせるような高級なイメージを持たせる時にも使う。Every Little Thingの曲で多い。

IIm 頻度★★★★(キーがC、Amの時のDm)
 マイナーの3和音の 1つ。

IIm7 頻度★★★(キーがC、Amの時のDm7)
 単独ではIImをぼかしたような使い方に多用される。これによりIImとIVの
中間的な感じを与える。
 コード進行としてはIIm→IIm7というようなIIm上にレ→ドに落ちていくような使い方がされる。

IIm6 頻度★(キーがC、Amの時のDm6)
 これは元々演歌系で得意なコードでもの悲しさや切なさを表わすのに使われる。
1976年の石川さゆりの津軽海峡冬景色
JPOPでも同様な使われかたをする。

III♭dim 頻度★(キーがC、Amの時のEbdim)
 (ここではVIdim、Idimと同義として扱う)コケティッシュな感じを与える。
初期の例
  1974年 チェリッシュの渚のささやきのサビ2回目
 (I|III|VIm|IVm6|I|IIIbdim|IIm7|V|)
 1977年 さだまさしの雨宿りのAメロ
 (|I IV|V I|IV III♭dim|IIm V|)

女性アイドル系で女の子のこういう感覚を出すのに使われることもある。
1975年 桜田淳子のひとりあるき サビ
1983年 堀ちえみの夏色のダイアリー Aメロ(|I|VIIaug|VIm|VI7onIII♭dim|)
2000年 タンポポの乙女 パスタに感動のイントロ
2001年 三人祭のチュッ!夏パーティーAメロ

このほかに元々dimコードが持っている不整合性を矛盾という形で使うケースがある。
1978年 ピンクレディー モンスター
1981年 郷ひろみ 若さのカタルシス

III 頻度★★★★(キーがC、Amの時のE)
 マイナー3和音でIIImの代わりとして、マイナーの曲に極めて多用される。
その頻度は3和音としてのIIImと並ぶ。都会的な感じやシニカルな感じがするIIImよりも心が通じた感じがする。
 trfの初期の頃印象的に使われた。例えば、寒い夜だから・・・、 survival dAnce〜no no cry more〜、 Boy Meets Girl等である。

III7 頻度★★★(キーがC、Amの時のE7)
 基本的にはIIIと同じだが、III→III7という流れで使われることが多い。なお、良く楽譜等でIII7と書いてあるところで、本来IIIであるべきところが大量にある。

IIIm 頻度★★★★(キーがC、Amの時のEm)
 マイナーの3和音の一つ。シニカル、哀感のこもった感じ、またIIIに比べると貧しい感じがするので、VIImなどともに心の貧しさの表現等に使われる。

IIIm7 頻度★★★(キーがC、Amの時のEm7)
 IIImをぼかしたいときに使う。これも非常に頻度が高いコードの一つである。
IIImだとあまりに強いのでこのコードを多用するのだろう。傷つけあうのを
恐れるあまり強く言えない若者の感情を代弁するようである。
VIm7、IIm7、IIIm7のぼかし系マイナー3和音で作られるような曲もある。

IIIsus4頻度★★★(キーがC、Amの時のEsus4)
 Vsus4と共に洋楽にはほとんど出てこないが、JPOPには極めて良くでてくる特異的なコードである。IIIsus4→IIIという流れで使われることが多い。70年代から盛んに使われている。

III−9頻度★(キーがC、Amの時のE−9)
 基本的にはIIIにIVの音が混じったものだが、コードIIIにメロディーのIVがついた時にこのコードになる。重圧のかかったメロディーにさらに重圧をかけたような暗さを表現する。
2007年 ドリームズ・カム・トゥルーのア・イ・シ・テ・ルのサイン〜わたしたちの未来予想図〜のサビの直前

IV 頻度★★★★(キーがC、Amの時のF)
 メジャーの3和音の一つ。

IVm 頻度★★★(キーがC、Amの時のFm)
 前出のJPOPのコード進行のところにも書いたが、悲しみを表わす重要なコード。 このコードのあるところに悲しい歌詞を組み合わせることが多い。

IVm6 頻度★(キーがC、Amの時のFm6)
 これは80年代後半から90年代初期にかけて良く使われたコードであり、不条理的な感じの中にもさわやかな感じがするという全く対極にあるような気持ち同居しているようなコードである。このため、女性アイドルの曲に多く使われ、逆にこのコードが入っている曲はこの時代のもの、この時代のにおいがすると言っても過言で無いくらい、時代に特徴的なコードである。IVm6−11のようなIVdimに近い形の響きを持っているケースも多い。
1987年 西村知美のわたし・ドリーミングの最後
1991年 田村英里子のリトルダーリンのAメロ
1992年 中山美穂&WANDS 世界中の誰よりきっとのAメロ
最近だと2003年 後藤真樹のスクランブルのAメロに出てくる  コード解説を見ながらこの曲を聞いてみる

IV7 頻度★(キーがC、Amの時のF7)
 これは元々がブルースやロックンロール等でブルーノートを使うと必ずでてくる
コードでその系統の曲が多く存在していた70年代〜80年代初めには多かったが、最近はその系統の曲自体が少ないので 例は多くない。
1979年 山口百恵 ロックンロールウィドウ Aメロ
1981年 田原俊彦 ブギ浮ギI LOVE YOU のサビ
2000年 プッチモニ 青春時代1.2.3! の最初

IVmaj7 頻度★★★(キーがC、Amの時のFmaj7)
 このコードもImaj7と同様に元々は1970年代のフォーク系専用だったようなものが、徐々にJPOP全般に広まり、最近ではあまりにも一般的になった。 IVと違い直接的な感じで無く淡い感じの音を表現するのに使う。特に春を表現するのに良く使われる。
1994年の松任谷由実の春よ来い
2005年のケツメイシのさくら
いずれもイントロの最初のコードがIVmaj7から始まって春らしい印象を与えている。
 最近でも頻度は高く、単にIVの変わりとして使われるケースも目立つ。

IVdim 頻度★★(キーがC、Amの時のFdim)
 多くは普通はIIIまたはIII7を使うところで代わりに用いられる。

IV#dim 頻度★(キーがC、Amの時のF#dim)
 II7にも近いが、IV→IV#dim→I(onV)として使われる。
 初期の例
 1971年 沢田研二の君をのせての最後 IV IV#dim|I VIm|IIm7 IIm V|I
 1974年 麻丘めぐみのときめきのサビ I |I7 |IV |IV#dim
        浅田美代子の虹の架け橋のサビ VIm|III|III|VIm|IV IV#dim|I VI|IIm7|V
 1994年 藤谷美谷子・大内義昭の愛が生まれた日の最後
         (IV|IonII|IV#dim|III)
 2001年 ゴスペラーズのひとりのBメロ
        華原朋美 PRECIOUSのサビ

V 頻度★★★★(キーがC、Amの時のG)
 メジャー3和音の一つ。 非常に頻度が高いので様々な使われ方がされるが、クラッシックでも一般的なように曲の一番最後を締めくくるのにV→Iというコード進行で使われたりする。
JPOPで特徴的な使い方として、メジャーな曲のサビの前がだいたいVになるということである。

VonI 頻度★(キーがC、Amの時のGonC)
 主にI→IVonI→VonIの進行で出てくる。この間ずっとベース音がIなので落ち着いた中でコード進行が進んでいく浮遊感がある。 1980年代後半から1990年代前半に特徴的に使われていた。
 イントロ等でも良く使われる。

1986年 松田聖子 Strawberry Timeのサビ
1988年 光GENJI パラダイス銀河のAメロ
     (|I|VonI I|VonVII| VonVII| VonVI|IVonVI|IVm| IVm|VIm|II|IIm7|Vsus4V|)
      荻野目洋子 DEAR〜コバルトの彼方へ〜のサビ (|I|IVonI|VonI|I  IonIII IV V|)

VonIII 頻度★(キーがC、Amの時のGonE)
 刑事ドラマの主題歌にでてきそうなこのコードは解決しない難解な事件を
かかえているような印象を与える。

V7 頻度★★★(キーがC、Amの時のG7)
 JPOPのコード進行にも出てくるが、IV→V7→IIIm→VImの3大コード進行に
出てくる。

Vm 頻度★★(キーがC、Amの時のGm)
 JPOPのコード進行にも書いたように、Vm→VIあるいはVm→I7という流れで
使われる。
 奥田民夫が単独でこのコードを多く使う。これはビートルズの影響ということである。
 2001年の例 嵐の君のために僕がいるのAメロ
昔の例 1974年 小坂明子 あなたのAメロ でVm→VI
1972年 天地真理 ふたりの日曜日 一番最後 I Vm VIがある
1978年 山口百恵 いい日旅立ち サビ I Vm VI
      
V6 頻度★(キーがC、Amの時のG6)
 単純にVにメロディー上のIIIが重なってできる場合が多い。

Vsus4 頻度★★★(キーがC、Amの時のGsus4)
 IIIsus4とあわせて、sus4系のコードは洋楽に比べてJPOPで頻度が非常に高いコードであり、まさにJPOPを特徴づけるコードと言えよう。その一つであるこのVsus4も既に1970年代から盛んに使われており、いまなお非常に多用され、JPOPには無くてはならないコードである。
だいたいがVsus4→Vという流れで、節の切れ目や曲の最後に使われる。

Vaug 頻度★(キーがC、Amの時のGaug)
Iaugと同じように夢見る気分にさせるコードである。
V→Vaugのような形で使われる
1979年 山口百恵 しなやかに歌ってのAメロ
1985年 薬師丸ひろ子 あなたを・もっと・知りたくてのサビの前
2001年 松浦亜弥のLOVE涙色のサビ
2007年 桑田佳佑 ダーリンの1番最初の直前
2008年 Greeenのキセキの1番最初

V# 頻度★★(キーがC、Amの時のG#)
 このコードは主にV#→VII♭→Iいう流れの中で用いられる。
また最近では単独あるいはV#→Vという流れでも用いられる。
Mr.Childrenの曲に例が多い。 またaikoの曲にも良く使われる。

V#maj7 頻度★★(キーがC、Amの時のG#maj7)
 G#に近いが、含まれているGの音により独特の響きをだす。
G#maj7→Gという流れが多い。

VIm 頻度★★★★(キーがC、Amの時のAm)
 マイナーの3和音の1つ。

VI 頻度★★(キーがC、Amの時のA)
 単独でも昔からいろいろなケースで使われていた。
 安心する、落ち着くというような感じを与える。
 最近VImsus4のところに書くようにVImの代わりに使うことが多い。
 この30年位で2000年〜2005年位が頻度としては一番高かった。

VIm7  頻度★(キーがC、Amの時のAm7)
 VImをぼかしたい時に使うが、マイナー3和音のぼかし系では一番頻度は少ない。VIm→VIm7の流れで使われるケース、または単独でVImの代わりに使われるケースが多い。

VImmaj7 頻度★(キーがC、Amの時のAmmaj7)
 VIm→VImmaj7→VIm7→VIm6という定番のコード進行の中でしかほとんど
出てこない。これはちょっと怖いところに入っていくような不安な感情を表わす。
例:
1983年 松本伊代の抱きしめたいのAメロの最初
2004年 嵐の瞳の中のGalaxyのサビ
2010年 Hey!Say!JUMPの瞳のスクリーンのサビ
2010年 AKB48のポニーテールとシュシュのCodaCメロ   コード解説を見ながらこの曲を聞いてみる

VIm6 頻度★(キーがC、Amの時のAm6)
 コード進行としては上記のVIm→VImmaj7→VIm7→VIm6で使われる。
VIm→VIm7→VIm6というのもある。
例: 1995年 篠原涼子 恋しさとせつなさと心づよさと の サビ
 このほかにVIm6→VII→VImsus4→IIIという流れがある。これは元々は林哲司が使っていたものが一般化したものである。
例: 1986年 菊池桃子 夏色片想いのAメロ2回の最後
   1989年 南野陽子 涙はどこにいったののBメロ  コード解説を見ながらこの曲を聞いてみる

さらにこの一般化した使い方が単独で出てくるようになった。 上記のように南野陽子の曲にこのコードは多用されている。
2008年のKinki Kidsの約束のサビ
2003年の中島美嘉の雪の華のBメロの最後
これは夏の中の涼しさを感じさせるような使い方がある。
例: 2000年 Kinki Kids 夏の王様 サビの前

VIsus4 頻度★★(キーがC、Amの時のAsus4)
 1990年代後半から2000年代前半にかけて用例が多くなっているコードの1つである。もともとは小室哲哉がIとVIの転調をする曲を多く作っていて、その切り変わり目でVImになるべきところがVIになるような形の曲が他の作曲家もやりだして転調なしで最後がVImで終わるところをVIで終わるようになった。
例: 安室奈美恵 You're my sunshine, a walk in the park (いずれも1996年)
   松本梨香 めざせポケモンマスター 1997年
   SPEED my graduation 1998年
2000年それがさらにVImsus4を経由してVIになるという流れができた。
例: 小柳ゆき be alive 1番のBメロ1回目からAメロ2回目へ移るところ
2001年にはもうあたりまえになってしまった。
これと似た例で1973年ガロの学生街の喫茶店、1978年桜田淳子のリップスティック等でVIm→VIが最後にある。

VIaug 頻度★(キーがC、Amの時のAaug)
 このコードはVIaug→VIという流れまたはその逆で使われる。 浮遊感を与えるようなコードであうる。
例: 桑田佳祐 波乗りジョニーのCoda部入るところ。
   田村英里子 好きよの最後から3小節前

VII♭ 頻度★★(キーがC、Amの時のBb)
 このコードは下から上がってくるV#→VII♭→Iという流れと
I→VII♭→IまたはI→VII♭→IV→Iというロック的な雰囲気の流れと2つの使い方がある。
またVII♭onIVという使い方は夏のきらめく暑さを表すのに使われる。
例 1980年 松田聖子 青い珊瑚礁のサビ (たぶんこれがこのような使い方の初出)
その後1980年代後半にチューブの曲などでも夏を表すのに良く使われている。その後も1994年のDEENの瞳そらさないでのサビにも典型的に使われている。
1990年代に入るとJPOPのコード進行にも出てきた下りのコード進行であるI→VonVII→VIm→IIImonV→IV→IonIII→II→Vの最後から2番目のIIの代わりにVII ♭を使うケースが出てきた。1993年のZARDの揺れる想いはAメロの一回目がIIを使い、2回目が同じメロディーに対してVII ♭を使っている。
 なお昔の例だと
1971年 赤い鳥 翼をくださいのサビの最後
          (|I V|VIm IIIm|IV I|VII♭ V|)
         井上順之 昨日・今日・明日 のサビの最後
       (|IV|IVm|I|VIm|IIm|IImonI|VII♭|V|)
1972年 天地真理 ふたりの日曜日のサビの最後
         (|IVmaj7|IVmaj7|IIIm|IIIm|VIm|VIm|VII♭|V|)
1973年 夏木マリの絹の靴下のサビの最後
         (|VIm|VIm|IV V|VIm|V  IV|III|VII♭|VII♭|I|I|VII♭|III|III|VIm|)

VII  頻度★(キーがC、Amの時のB)
 究極感を表現するこのコードは、歴史的には1970年代には多く使われていたが、今は頻度は非常に落ちた。 特に90年代が非常に少ないが、2000年代になって多少復活してきているように思える。
 頻度が減った理由として、1984年頃から代わりにシニカルな感じがするVIImが代わりに使われるようになったことが大きい。
    
例:1974年山口百恵 冬の色 一番最後
  1976年山口百恵 横須賀ストーリーサビ後のメロディー2回出てくる
  1977年森田公一とトップギャランの青春時代のAメロ
        山口百恵 イミテーションゴールド サビ
   1981年の郷ひろみのお嫁サンバのサビ
  1980年後半から90年代にかけてはTUBEが使っているのが目立つ。
      さよならYesterdayの最後等である。
  1994年 藤谷美谷子・大内義昭の愛が生まれた日のサビの前
  その後90年代は全般的に少なく、1999年に槙原敬之のHungry Spiderで久しぶりに聞いたような気がする。
  2000年のサザンオールスターズのHOTEL PACIFIC
  2005年のジャンヌダルクの月光花などジャンヌダルクやその後のAcid Black Cherryの曲には目立つ。JPOPのコード進行のところにも書いたが究極感を表わすような使い方がされる。
 
VIIm 頻度★★(キーがC、Amの時のBm)
 JPOPのコード進行にも書いたようにこのコードの使用例が増えてきたのは80年代に入ってからである。IIImよりもさらにシニカルな感じがする。 現在でもつかわれる。
 昔の例 1976年 岩崎宏美のドリームのサビ
1977年 太田裕美の九月の雨 のサビの後のDメロディー
1982年 三田寛子の夏の雫のBメロ
 伴奏としてもIIIsus4→IIIの変わりにVIIm→IIIという使われ方で無常的な感じを出させる。

VIIaug 頻度★(キーがC、Amの時のBaug)
 80年代でごく時々使われた。I→VIIaugの流れが多い。おやっとするようなちょっと変わったことがあったような感じがする。
 1981年 松田聖子の風立ちぬのAメロ
 1983年 堀ちえみの夏色のダイアリーのAメロ
 2010年 YUIのto Motherのサビに久し振りに出てきた
 


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